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人の死は悲しいものですが、 最近は自分の死について元気なうちから考える人が増えてきました。
旦那さんと一緒のお墓には入りたくないとか、
祭壇は花一杯にして欲しいとか、
中には葬祭の間に流す曲まで、きちっとした希望を持つ人が増えているのです。

まるでブライダルフェアに行くように、 セレモニーホール主催の葬式体験に行ったり、 遺言書作成のためのセミナーに積極的に参加するのです。
どうせ必ず迎える人生最期の日を自分らしく迎えようとする前向きな行動は家族にとってもうれしいことです。

例えばガンのように告知されてから最期を迎えるまで数週間なり数ヶ月あれば、
本人も家族もそれなりに最期を迎える準備ができます。
たとえ告知されてしばらくは何も考えられなくても、 時間が経つにつれ心の準備も、 身辺整理もする余裕が出てきます。

しかしガンでもすぐに症状が進んでしまう場合もありますし、
脳卒中や事故など、家族も本人も心の準備もできないまま最期の時を迎えるケースも多いのが現実です。

そんな時でも、本人が前もって遺言書を作成してくれていると相続のことでもめることもありませんし、 葬儀について悩む必要もありません。
生前に本人が希望していたことがわかれば、 葬儀会社のスタッフにそのことを伝えておけばよいのです。
元気なうちから人生最期の日の事を考える機会があれば是非参加して、 家族とも明るく前向きに「死」について語り合う機会にしたいものです。
そうすることで「ああしておけばよかった」などと葬式の後で後悔したり、 遺言のことで悩んだりすることもありません。


特に遺言書は、 「こうしたい」という強い希望があるなら是非セミナーなどに参加して正式な文書の書き方を勉強しておくべきでしょう。
一度で完璧な文書はなかなか作れませんから、 一度作っても一年ごとに見直したりしながら手直しを重ねるとなおいいでしょう。
単に紙に書けばいいというものではありません。
公的な効力を持った遺言書にするためには書き方、 保存の仕方、 開封の仕方を本人だけでなく家族も知っておく必要があるのです。

せっかく書いた遺言書もこの3つがきちっとできていなければ効力を持たないのです。

私の母の場合、口ではさまざまな事を言っていました。
仏式の葬式は嫌だとか、 骨は川に散骨して欲しいとか、 仏壇は必要ないなどです。
相続については、 長男の学費が他の兄弟の学費よりもずい分かかったのでその分を差し引いて等分したいと言っていました。

昔から女性の権利を主張するような気の強い母でしたから、
母なりに思うところが多々あったのです。
私達兄弟は母の生前から、 口であれこれ言うだけでなくちゃんと文書にしておくようにと言っていたのですが、 母が作った遺言書は大学ノートに走り書きした程度のもので、 とても公的な効力を持つようなものではありませんでした。

結局、親戚とは相談したものの、 平凡な仏式の葬式を行い、 納骨を済ませ、 仏壇に手を合わせています。
母としては実に不本意な結果でしょう。
母の性格を知っているだけに、 仏壇に手を合わせるたびにゴメンなさいと謝る毎日です。
死んでしまえばおしまいだと思う人はいいですが、 死について自分なりのこだわりを持つなら、 是非正式な文書にしておきましょう。